竜という字は架空の生物「りゅう」の形になぞらえて「竜」と書くようになったようです。後世「竜」に威厳をもたせるために作られたのが「龍」という文字だと言われています。
竜は中国神話に登場する四神の中の一神で、四聖獣からの進化です。
いわゆる東の青龍、南の朱雀(鳳凰)、西の白虎(麒麟)、北の玄武(亀)といい、それぞれ川、海、道、山などに対応します。
青龍
東を守り、色は青、季節は春、環境は川、星座は蠍
余談;「古今物語集」に、夢殿にこもって聖徳太子の魂だけが青龍に乗って中国に渡り、仏教の経典を取っ て来たという話があります。
朱雀
南を守り、色は五色の色をもて、季節は夏、環境は広々とした土地、神鳥、鳥の王、鳳凰のこと。
余談;1m以上有る鳥で、コウノトリ、ツバメ、ニワトリ、蛇、魚、オシドリ、龍などが混じり合った姿をしている。
白虎
西を守り、色は白い 、季節は秋、環境は道、虎が500歳になると白虎になる、麒麟ともいわれる。更に年月 がたつと翼が生えるともいわれる
土の精であるという説もある。
玄武
北を守り、色は黒(玄)、亀と蛇を合成したような姿をしている、甲羅を背負っての防御姿勢から「武」と言わ れる、季節は冬、環境は山。
日本にもこの四神の考えは伝わっている。最近では奈良県で発見されたキトラ古墳の壁画に四神図(四神相応図)がある。
さて、最近円覚寺を訪ねたとき羽のある「りゅう」の彫り物が飾られていた。
元々中国伝説の竜には翼が無く羽ばたいて空に舞い上がるのではなくうねりながら天に昇っていく。
翼のある「りゅう」は西欧発祥でこれはドラゴンという。そしてドラゴンは火を噴き人間世界と対立するもの である。要するに「火」に例えられる様だ。
中国の竜は「水」に例えられる。
日本の古事記でも八岐大蛇(これも竜と考えられる)は川であった。
どうも竜とドラゴンは似て非なるものの様です。ただ、円覚寺の羽のある竜の彫り物の意味するところは わからない・・