腹痛の診断について CTのお話。

さて今日は腹痛のお話です。
お腹が痛くなった時、どういったことを考えますでしょうか?
なんの病気だろうか心配になるかと思います。食当たり、胃腸炎、胃潰瘍、胆石、虫垂炎(盲腸)、がん。。。
またとても痛みが強い場合、このまま様子見て大丈夫だろうか、と心配になることもあるかと思います。

当院では、それなりに腹痛が強い方がこられた場合にはCT検査をすることが多いです。
CT検査をする理由としては、①正確な診断②異常ない場合の裏付け③今後の方針を考えるため、です。

①診断に関してですが、ある程度おなかの診察で予想することは可能です。しかし診察のみで診断を確定させることは不可能です。腹痛の有名な病気として虫垂炎(盲腸)がありますが、典型的には右下腹部の痛みが特徴ですが、中には虫垂が右下腹部にない方もおられ、このような方の場合は別の部分に痛みを伴うため診察での診断は困難です。
お腹には臓器自体も多く、とにかく鑑別診断(考えられる病気)が多く、画像診断は必須です。腹部超音波検査もありますが、腸管ガスなどで見えない部分が多かったりで、確定診断に至らない病気も多いです。腹部超音波は、被ばくもなく簡便でいい検査ではありますが、診断できる病気としては、胆石(胆のう炎)や、腸閉塞、一部の尿路結石、一部の虫垂炎などそれほど多くありません。

②超音波検査の場合、上でも書いたように見えない部分も多く、検査上問題ないので大丈夫です”と自信を持ってはいえません。一方でCTだと比較的頻度の低い病気を含め様々な病気のチェックができているので、問題ないですと言えることが多いです。

③治療方針の決定にもCTは役立ちます。診断するだけでなく、重症度の評価と治療法をどうするかを考えなければなりません。
例えば、大腸の病気で、虫垂炎や憩室炎といった病気があり、いずれも大腸から外に飛び出している小部屋のような部分で炎症を起こす病気なのですが、その進行具合で治療方針は変わります。
虫垂炎は、比較的穿孔(あなが開く)しやすく手術になることも多いのですが、CTで虫垂の腫れがそこまでなければ抗菌薬(抗生物質)のみの治療で抑えられることもあります。また、憩室炎に関しては、痛みがかなり強く出やすいのですが、こちらは穿孔が無ければほとんどの場合抗菌薬で経過をみることができます。こういった判断は、診察や腹部エコーのみでは判断ができません。
また、腹痛を伴う便秘に対してもCTが必要なこともあります。たかが便秘と思うかもしれませんが、便秘も場合によっては死に至る病気です。便秘がひどくなると、糞便による腸閉塞の状態となり、比較的短時間のうちに腸管が壊死(腐る)して亡くなる、また助かっても少し遅いとかなり広範囲に腸を手術でとらなければいけない、といったこともあります。こういった腸が壊死、またはその前段階かどうかの判断にCTが役立ちます。
ただの便秘であれば、便秘薬の調整をしますし、腸が壊死しかけているような状況であれば総合病院に緊急搬送が必要かもしれません。

このように腹痛診断にCTは必須と思いますが、実際にCTのあるクリニックは多くありません。またCTを希望して紹介状なしで総合病院に受診するとお金もかかります。かかりつけに受診して紹介状書いてもらって総合病院へ行って結構またされてCTとったけど、結局あまり問題なかった、ということもあるでしょう。

当院は、入院施設はなく重症疾患の場合は最後まで見れませんが、CTがあり、すぐに撮影してすぐに診断しますので、来院から比較的短時間で、最終的にどうなるか(このまま様子見れるのか、はたまた手術になる可能性が高いのかなど)を考え、お話することができます。腹痛があった場合はぜひ受診を。

なお、がんの診断にもCTは非常に有用ですが、またそのうち書きたいと思います。

副院長

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