血清ピロリ抗体価(採血でのピロリ検査)に関して。 これを調べれば胃カメラしなくてよい?

胃がんの原因がほとんどピロリ菌であることは近年周知されてきているかと思います。
そして最近の健診・人間ドックではオプションで血清ピロリ抗体を測定できるケースもあります(胃カメラ無しでのピロリ検査は保険適応外ですが)。
しかしこの数値、人によっては全く役に立たないものになるので注意が必要です。
ここでは、主に胃カメラ無しで、血清ピロリ抗体価をはかった時に関して書いていきます。

まず前提として、ピロリ除菌をしたことがない方のみで意味のある検査です。
除菌後の方の場合除菌が成功していてもどのような結果でもありえるため、除菌後の方には全く無意味な検査です。

ということで、除菌後の方はさておき、対象はピロリ除菌歴のない方として、

①陽性の場合
ここでいう陽性は10U/mL以上の場合です。この場合、大概ピロリ陽性です。胃カメラを受けていなければ受けてからの除菌治療となります。
個人的には、胃カメラ無しでのピロリ測定は同意しかねますが、胃カメラを受けるきっかけになるのであれば多少意味はあるのかもしれません。

②陰性の場合
ここがややこしく、二つに分けて考える必要があります。数値でいうと、3U/mL以下と、3-10U/mL(陰性高値といいます)に分かれます。
(健診や人間ドックの結果が、10U/mL以下を全て異常なし、A判定、となっていたら。。。。)

 a)3U/mL以下の場合
この場合、ピロリはほぼ陰性と考えられます。ピロリ未感染なので胃がんのリスク低い!?。
実は、ピロリ菌による胃粘膜の萎縮性変化が進みすぎてピロリが住めなくなりピロリがいなくなります。この場合、最も胃がんのリスクが高い群となります。なおペプシノゲンの検査と合わせれば(ABC検診)どちらかは基本的にはわかりますが。
また、過去に自然にピロリが除菌されてしまった場合もこのような結果になることもあります。(過去に風邪で病院に受診した際に出された薬で自然にピロリ除菌されてしまった可能性など)
→こういったこともあり、あらゆる可能性があるため一度は胃カメラ検査は受ける必要があります。

b)3-10U/mLの場合(陰性高値)
陰性高値の概念が言われ始めたのは、この中の20%程度にピロリ菌感染者がいることが分かったからです。また除菌後(自然除菌後も含む)の方もこの結果になることが多いです。
この結果が出た場合は、胃カメラは必須です。胃カメラで胃の粘膜をみて、ピロリがいそうか、いなさそうか、過去にいたっぽいかを判断し、必要に応じて血液検査以外でのピロリ検査を測定します。
陰性高値というとピロリ陰性と考えるかもしれませんが、正直な所この結果は、ピロリについてはなにも分かっていないのとほとんど変わりない、と思われます。

まとめ
ピロリ抗体陽性        → 胃カメラしてから除菌考慮
ピロリ抗体陰性(3U/mL以下)   → ABC検診と合わせて問題なければ胃がんのリスクは低いが、中には自然除菌後の場合もあり一度は胃カメラで萎縮の評価必要。
ピロリ抗体陰性高値(3-10U/mL) →胃カメラを見なければ判断のしようが無い。  

ピロリ検査はあくまで胃カメラした上で必要に応じて行うものであり、単独でのピロリ検査はお勧めしません。

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