副院長の飛鳥井香紀です。今後、消化管などのこととかはこちらに書いていこうかと思います。
内視鏡検査に関してもそのうち書こうかと思いますが、まずはあまり知られていない大腸CTについて触れていきたいと思います。最初なので少し長くてすみません。
結論から言うと、大腸CTはかなりいい検査です。総合病院からクリニックに移った際には大腸CTは何としても続けたいと思っていました。そう思うようになったいきさつも書いていきたいと思います。
大腸CTは、CTコロノグラフィーやCTC,大腸3D-CTなどいろいろな呼び方があります。簡単に検査の流れをお話しすると、内視鏡と同様腸管洗浄(大腸カメラでたくさん飲むあれです。量はだいぶ少ないです)を行ったのち、お尻にチューブを入れて大腸を膨らませてCTをとり、解析ソフトで診断をする、といった流れです。詳細は、こちらを参照ください。2012年に大腸がん検査として保険収載されました。大規模臨床試験で、大腸CTの精度は専門医の内視鏡検査に劣らない、ということが証明されたためです。保険収載直後のタイミングで、前在籍していた病院では導入することとなり、それを中心になってやるように言われたのですが、カメラも入れないしCTとるだけで何が分かるのか、興味ない、なんで自分が、、と思ったことをよく覚えています。2012年当時は内視鏡診断や治療に興味があったので、大腸CTをやれと言われたときは面倒だと思っていました。
あまり乗り気でない中、他施設に放射線技師と研修に行き、その後実際に導入することとなりました。最初のうちは、大腸内視鏡検査を行い、病変があった場合に同意を得た上で大腸CT検査を行い、両者を照らし合わせていました。すると、たかがCTと思っていましたが、意外と内視鏡と同じような見え方でCTでも見えるのです。
その後は実際に、大腸がん検診である便潜血検査陽性の場合の二次検査としてや、内視鏡が奥まで入らなかった場合などで検査を行っていくことになりますが、大腸CTで指摘した病変はその後内視鏡をすると大体あり検査するにつれ有用性を実感するようになりますた。大腸CTと内視鏡検査の比較も行い、大腸CTが大腸内視鏡に劣らない精度であることも消化管学会総会で報告しています。
一応世の中的には、大腸検査としては大腸内視鏡がスタンダートな検査と考えられておりますが、痛い思いをして何度もたくさんの下剤を飲んで内視鏡をしているような方や、年齢も重ね大腸内視鏡が大変なお年の方の場合は大腸CTの方がはるかにいいと思います。
ちなみにホームページにも載せている画像ですが、左の画像のように腸がかなり長い場合CTの方がいいと思います。右の画像(実は私なのですが)の人も所々屈曲が強く内視鏡で見えなかったりする部分も多く、今後必要時には大腸CTをベースに考えています。
今後も引き続きいろいろ書いていこうかと思います。