前回書いたように大腸CTは非常に有用な検査です。横浜市の大腸がんの2次検査の項目にも入っています。
しかし、検査している施設は非常に少ないです。なぜでしょうか?
私が思うには、この検査は医師一人ではできないから、と思っています。
大腸CTの撮影から診断までの大きな流れは以下の通りです。
①撮影 放射線技師
②画像診断(腸管内) 消化器内科 もしくは 放射線科
③画像診断(腸管外:腸管外臓器も写る) 放射線科
③のCT読影はさておき、①と②に関しては、少し見ただけで真似してできるものではありません。かなりの熱意と経験数が必要です。また例えば医師(消化器内科医や放射線科)だけやる気があっても、放射線技師が撮影した画像の質が悪ければどうにもなりません(かなり重要です)。また放射線技師と放射線科だけやる気があっても、消化器内科医の内視鏡的な目線からの診断のやる気がなければ深い診断ができない(と思っています)でしょう。だれかがやる気があってもどこかがやる気がなかったり、はたまたこれらのスタッフ間の関係がよくなかったりするとできない検査なのです。(内視鏡検査は医師一人でやれますしね)。
幸い昨年まで勤めていた名古屋市の病院では、お互いの人間関係が良好でスムーズに導入に至りました。そして現在ですが、撮影はそこでたくさん撮影を行った放射線技師が、読影は私が行っています。腸管外は必要に応じて外部の放射線科に読影してもらっています。一応施設が変わり、また病院とクリニックとの違いもありたくさん経験しているとはいえ、多少の不安はありましたが、クリニックの看護師等スタッフもこの検査に積極的で順調にやれております。
ということで、大腸CTをやっている施設が少ない点に関して書いてみました。
気になったら相談ください。
副院長 飛鳥井香紀