今日は大腸カメラについて触れたいと思います。
まず当院は、大腸CTもやっていますが、大腸内視鏡検査も行っています。大腸CTは、いろいろ書いているようにいい検査なのですが、大腸内視鏡検査もとても大事な検査です。大腸CT押しの私ですらそう思います。
まず、大腸検査する理由として大きいのががん検診です。大腸がんの死亡率は男性で2位、女性で1位となっていますが、かかる人の数も多く、早期に発見するとかなり高い確率で根治(完全に治る)します。そのため、早期発見が大切なんですね。
大腸がんの早期発見がどのようなものか、ということですが、具体的には、
”内視鏡したらポリープがあった。とったら癌だった。一応治ったみたい”
というものから、
”内視鏡したらがんだと言われた。幸い転移がなく手術したら治った。リンパにも入っていなかった”
というのも早期発見でいいかと思います。
大腸ポリープについてですが、切除したらがんだった、ということはよくあります。(ただ頻度が多いせいか、ごく早期のがんの場合にがん保険がおりない場合もあるんですね。。)でもこれによって、大腸がんを早期治療できているので、大腸がんでの死亡は回避できたことになります。
また、大腸ポリープをすべて取ったら、大腸がんが大幅に減ったというアメリカでの研究報告もあります。
ということもあり、当院での考え方として大腸ポリープは、腫瘍性(いずれがんになる可能性があるもの、またはすでにがんと思われなおかつ内視鏡でとれば完全治癒になりそうなもの)であれば切除する方針で考えています。よく、サイズごとのがんの確率などの観点から6㎜以上のポリープのみ切除するという考えもありますが、個人的には、5㎜以下の小さなポリープでも腫瘍性のポリープであればいずれがんになる可能性がある以上、簡単に取れるなら取ればいい、と思っています。
大腸がんは予防できるがんの筆頭と考えています。検診(検便)で引っかかった場合などには検査をすることをお勧めします。また検診で引っかからなくても40歳になったら一度は受けた方がいいと考えます。(あ、大腸CTでもOKです)。早期がんの半分くらいは検便でひっかかりません。私も41歳になった際に内視鏡検査をうけました。ぜひ検査を!
副院長 飛鳥井香紀