X線検査(バリウム)か胃カメラか。

最近、少し更新していませんでしたが、最近よく聞かれることもあり、少し書いておこうと思います。

★精度に関して
概ね内視鏡検査での診断率は、X線検査の3倍といわれています。
まあ、データはデータとして、
X線でみつかるがんは、それなりにサイズがあったりするものがほとんどで、発見されたとしても内視鏡治療はすでに適応外になっているものが多いです。他の臓器への転移なども認めず、手術して病気が治れば、早期発見で治ってよかったね、という考えでもいいですが、今は早期発見すればお腹を切らずに治る(すなわち胃カメラでの手術)方法があるので、手術を要する時点での発見は決して早期発見ではないと思います。
当院でも内視鏡検査で早期胃がんはそれなりに発見していますが、高さが1mmもないような病変だったり、少しまわりと色が違うだけの病変だったりと小さいものが多く、バリウムでは発見できないと思います。

★ピロリ菌や胃炎に関して
ここでもよく書いていますが、胃がんの原因は、ピロリ菌です。ピロリがいるのか、いないのか、以前いたのか、は大事です。胃がんの発症するリスクが異なるからです。ピロリがいる場合やいた場合に関しては、胃炎の程度により、がんの発症リスクにが変わってくるのですが、X線検査ではわかりません。また胃カメラで、こういった特徴があるとがんのリスクが高いので要注意とかありますが、X線検査では全くわかりません。

まとめ
・X線検査では、胃がんの早期発見はほぼできない。またピロリの状況が不明なので、がんになるリスクが分からないので結果的に毎年検査をうけることになってしまう。
・X線検査が許容されるのは、ピロリ未感染で、かつ胃カメラがつらい(鼻からの検査でも)の場合、くらい。
それ以外の場合は内視鏡推奨。

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