大腸CTの前処置について

今日は、大腸CTの前処置について書きたいと思います。

大腸内視鏡検査を受けたことがある方が2回目以降の検査を避けてしまう理由として、検査そのものが辛かった(痛かった)という意見と同じくらい腸管洗浄で2Lくらい飲む下剤が辛かった、という意見はよく聞きます。昔と比べると、味も大分改善されてはきましたが、一定の頻度でどうしても受け付けない方もおられます。内視鏡検査が辛かった場合に、大腸CTを選択するというのはよくありそうかと思いますが、腸管洗浄が辛かった場合に大腸CTは選択肢になるでしょうか?

大腸CT検査は、以前にもお伝えしたようにお尻に管をいれて大腸を膨らませてCTをとる検査です(細長い風船ふくらませて写真とる感じです)。大腸には常にたくさんの便が存在しておりますが、CT画像だと便とポリープなどの区別は難しく、たくさん便が残っているような状況ではほぼ診断になりません。ということで、腸管洗浄は必要です。では、内視鏡検査と同様たくさんの液体を飲む必要があるのでしょうか?

実は大腸CTの腸管洗浄に関してはいろいろな方法があり、以前は内視鏡検査の時と同じくらい飲んでもらっていましたが、最近はかなり下剤の量が少なくなってきています。当院でのやり方では腸管洗浄自体は200ccです。
なぜこんなに少なくても検査できるかというと、大腸CTの前処置は、大腸の便を完全にださなければいけない、というものではないからです。大腸CTの前処置の特徴の一つに、”検査前に造影剤を飲む”というものがあります。タギングというのですが、これは、食事と造影剤を混ぜることで、CT撮影の際に大腸に残っていた便が造影剤の効果で光る→光ったものは便であり病変ではない、と判断することができます。この方法により、ある程度大腸に便が残っていても診断ができることになります。(ほかにも診断のノウハウはありますが、今回はここまでにしときます)

当院でのおおまか前処置です。
検査の前日は、朝昼晩検査食を食べてもらいます。毎食後に32㏄の造影剤と、500ccの水を飲んでもらいます。(→この作業は、食事と造影剤を混ぜ、大腸まで流れて便になった時にCTで分かりやすい光り方にするためです。)その後寝る前に、200㏄の腸管洗浄液を飲んでもらいます。
当日は、10時前に来院してもらい、着替えて10分くらい撮影して終了となります。

腸管洗浄自体は200㏄だけですので、実際に内視鏡の下剤が辛かったという方にもおすすめの検査かと思います。以上、大腸CTの前処置に関してでした。

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